― 子どものやる気は、”短距離走の法則“でスイッチON! ―

子どもに教えたいこと、身につけておいて欲しいこと。社会で生きていくために親から子へ、先生から生徒へ伝えたいこと。

それを子どもたちに届けるコツは、とにかくゴールまでのプロセスを徹底して細かく小刻みに分けておくことです。どうしても大きな目標を一気に叶えることを子どもに期待してしまいがちですが、ここは大人の冷静な計画力と、ちょうど良い課題設定をしてあげる観察力がキーポイント。

子どもにとってあまりにも壮大に見える大きな目標は、たちまち子どもを萎縮させ、敬遠させてしまいます。「ゴールテープがすぐ先に見えている！」「ちょっと頑張ればあそこに行けるかも！」といった、本人も予測できる範囲で短距離走を設定しましょう。子どものやる気が育つ方法です。

なぜなら、達成感は大きさではなく、数が大事だから。日々の「できた！」体験を積み重ねることで、子どもの自信は育ちます。つまり、たくさんの成功体験を重ねて尚且つそれを自覚することで、子どもは意欲的になり、「また次もやりたい！」「もっとチャレンジしてみたい！」と思えるようになるのです。

私自身のリトミックのレッスンでも、年齢ごとに経験してもらいたい課題を大まかに設定し、それをまた更に月ごとに分けて指導案に反映させています。

例えば、“リズム”という項目を身につけて欲しい場合。

年長さんクラス（Class5）では、みんな長いリズムフレーズを読んでリズムを即座に打つことはもちろん、ピアノを聴いてリズムを並べることができます。即興でリズムを作ることもできます。拍子感も正確に表現でき、リズム感、表現力が体の感覚として身についています。

それを一気に叶えようとすると子どもは音楽嫌いになってしまいます。そこまでたどり着くために、0歳（プレクラス）、1歳（Class1）の段階から、“リズムを身近な言葉で楽しむ”ことからスタートさせています。

言葉遊びを含んだ手遊び歌を親御さまと一緒に楽しむ活動を意識的に取り入れ、自然と口をついて出る節回しを通して、言葉の持つリズムに触れます。

２歳クラス（Class2）の教材では、言葉のカード（くだものシリーズや生活アイテムシリーズなど）が登場し、言葉を言いながら手を打つ活動が始まります。また、ピアノのリズムをまねっこしたり、リズムの基本となる“拍（ビート）”をとにかくいろんな曲、テンポで打つ活動を増やします。

年少（Class3）クラスになると、ビートに対して正確にリズムを乗せ、引いては拍子をも感じられる活動へと発展します。記憶力が発達してくる時期なだけに、言葉のリズムカードを裏返して覚えるという活動も加えるとより盛り上がります。

４歳（年中）クラスでは、リズムを読んで打つ/耳で聴いたごく短いリズムをリズム譜に置きかえることができるようになっています。

このように、遠い遠いゴールに向かって全速力で走り続けるのではなく、少しずつ小さな成功体験が積み上がることで、やる気の炎が絶えることなく、子どもは意欲的に頑張れるのです。

これはおうちでも同じこと。

例えばお箸を使わせたいと思ったら、その前に、キーとなる二指（親指と人差し指）に力を入れられるような、“紙をちぎる”“小さなものをつまむ（ピンセットなどを使うとより難易度もup!）”といった日々の実体験がベースになってくるのです。

さらに、二指に力が入るようになる前段階には、5本の指を自由自在に使う体験（紙を丸める、ボールのようなものをガシッと掴むなど）が欠かせません。

「お箸はこうやって持つのよ！ほら、まねして！」と教え込む前に、まずはたくさんの小さなステップを達成した経験をしているかどうかが、子どもが自発的にお箸に好奇心を持ってくれるかにかかってくるのです。

先を急がず、まずスモールステップ。急がば回れというように、目に見える結果を性急に求めるより、じっくりコツコツ、子どもが「できた！」と感じられる、細かく区切るゴール設定をしてあげて下さいね。

「できた！」を一緒に喜んでもらえるとより一層、子どものやる気に満ちたチャレンジ精神は育ちますよ♪

リトミックスタジオKirariでは、音楽の導入はもちろんのこと、お子さまのキラリと光る才能を引き出すことを重要視し、加えて、親御さまの幸せな子育てをサポートすることをミッションにしている教室です。
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