― 飽きっぽい子には、石を置け! ―
うちの子は集中力が続かなくて。
そんなふうにお悩みを聞かせて下さる親御様はたくさんいらっしゃいます。
でも実は、集中力がないのではなく、‟途方に暮れている”のだとしたら?
今回はそんなお話です。
目標までの道のりを細かく区切るとやる気がアップ!
目標までの道のりが遠すぎると、子どもは集中力、モチベーションを保てません。果てしなく遠く見える目標をまわりに押しつけられても、ピンとこないのは子どもも大人も同じです。遥かかなたの理想に思えて自分ごとと思えない上、何から手を付けてよいやら想像もつかないからです。
こんな時は、目標までの道を細かく区切ることが有効です!ちょっとずつ小さなゴールに細分化することで、ひとつ先の区切りまでなら攻略する手立てが見えるようになるもの。節目ごとに目印となる石を置く【マイルストーンの法則】です。
「ちょっと頑張れば達成できるかも?!」がハートに火をつける
マイルストーンとは、もともとローマ帝国が主要な街道に1マイルごとに設置していた標識のこと。そこから転じて、今ではゴールまでの道の中間目標といった意味合いで使われています。
達成を実感し、またそれをエネルギーの元手にして次の節目まで…と意欲を都度更新できるように、細かく【マイルストーン】を配置してあげるのが大人の役割と言っても過言ではありません。
加えて、子どものハートに火をつけるには、「ちょっと頑張ればできるかも?」と思える難易度にまで細分化してあげることが何より重要。
自分でチャレンジしてみようかなと思える、でも決して簡単過ぎない、そのギリギリのさじ加減。
このあんばいこそ、先生、親、コーチ側の腕の見せどころですね。
マイルストーンを置くときの、最も肝心なポイントです。
複雑なリズムを演奏するまでの‟石”(リトミックレッスンの場合)
たとえば私が主宰している、未就学児対象のリトミック教室の指導にも、この【マイルストーンの法則】は欠かせません。
リトミックという音楽教育の中でお子さんに習得してもらう項目はたくさんありますが、今回はその中から、‟リズム”をひとつの例にとって、1歳から6歳まで、どのように階段をのぼっていくか、簡単にご紹介します。
最終的に年長さんクラスで譜面を見て正確にそのリズムを打つことが出来るようになるのをひとつのゴールとしています。そこまでの行程を、それぞれの年齢による発達段階によって細かく分け、積み重ねていっているんです。
(ちょっと長くなりますので、興味のない方はさらっと流し読みしてくださいね!)
0,1歳クラス(Baby Class/Class1)
まず親子で音楽を楽しむことに何より主眼を置きます。
リズムを含めすべての基礎となるのがビート(拍)。お歌を歌いながら、またはピアノの音に合わせて手を打つ、歩く、さらに自分で鳴らせる様々な打楽器を使い、ビートに合わせて活動する体験を楽しむ、ということに焦点を当てています。
まずはビートを感じながら、「音楽が流れている環境に慣れ親しむ」ことを目標の【石】にしています。
2歳クラス(Class2)
2歳さんからは親御様のサポートも借りながら、様々な簡単なリズムを打つ活動も取り入れます。「トントン」など、お口でもリズムを言いながらリズムを打つことで、意識が集中しリズムをより明確に認識することが出来ます。
知識ではなく、まずはたくさんのリズムを経験し、リズム感の土壌を作ります。
音楽とは切っても切れない関係である「数」にも慣れ親しむ活動も経験してもらっています。
3歳クラス(Class3)
3歳さん(年少クラス)からは様々な拍子の基礎リズムを模倣する活動が増えてきます。先生の打つリズムやピアノのリズムを聴いて、ビートを保持しながら真似して打つ(リズム模倣)活動です。
また、理解力や思考力が高まったこの年齢では初めて「音符」が登場します。ここはターニングポイントとなる大事な【石】です。
八分音符、四分音符、二分音符など、正式名称はまだ提示しないものの、「ティ」「ター」「ターァン」など、取り入れやすい呼び方(リズム唱)と特定の動き(リズム動作)で、体を使った活動を繰り返しながらそれぞれの音符が持つ長さ、エネルギー、空間の感覚を体得し、記号としての音符と認識を一致させます。
4歳クラス(Class4)
4歳さん(年中クラス)からはそれぞれの音符を組み合わせたリズム譜を見て自分で表現する活動を増やします。この時点でおおかたのリズムを読み取り正確に打つことができるようになっています。
逆に、ピアノを聴いてそのリズムを分析し、カードで並べる活動(リズム聴取)もメインとなってきます。どんどん本格的に音楽に結びついていく【石】です。
5歳クラス(Class5)
5歳さん(年長クラス)では、補足リズムやカノン、複リズム、指揮といった複雑で高度な課題にも挑戦し、ビートをキープしながらある程度の長さのあるリズムフレーズを記憶し、正確に表現できるようになります。
少しずつ実際のピアノにも触れ、音楽を奏でることの楽しさを経験します。
このようにして少しずつ段階を踏んでいくことで、体で得た感覚を土台にしたリズム感が育ち、楽譜も読めるようになり、表現力も高まっていくんです。
ゴールまでの間に、たくさんの石をしかけているのがお分かりいただけましたか?
車をどうやって作る?の有名なエピソード:分解すれば道が開ける!
これは音楽や教室指導にだけ当てはまる話では決してありません。
たとえば字だって初めから書けるようになるわけではなく、絵本を読み聞かせするうちに文字の存在に気づき、鉛筆の持ち方を覚え、力のコントロールをはかりながら例えばまっすぐの線や波線が弾けるようになり(運筆)、やがて平仮名が書けるようになりますよね。たいがいの物事は、小さな【石】をひとつずつ拾いながら長い道のりを歩いて習得するものです。
かつて国産車がまだない1920年代の日本にて、技術者たちがどうやって車を作る技を習得したかご存じですか?
当時すでに完成されていたアメリカ製の車を購入し、バラバラに分解したというのは有名な話です。当時の職人たちは、どんな仕組みなのか想像もつかなかった得体のしれない大きな塊を、これなら作れるかもしれないという単位の小さなねじにまで細分化したのです。それが、できることをちょっとずつ見つけ手探りで車を作る足掛かりとなりました。
わが子が集中してくれないなと感じたら、ぜひ、小さな【石】を配置して、ひとつずつ達成させてあげてくださいね。結果を急がずに。
達成感の‟大きさ”ではなく、達成した‟数”こそが、継続できるモチベーション、意欲、集中力を作ります。
リトミックスタジオKirariでは、このように音楽の導入はもちろんのこと、
- お子さまのキラリと光る才能を引き出すこと
- 親御さまの幸せな子育てをサポートすること
- 子どもたちが世界に羽ばたける教育環境を作ること
をミッションに掲げている教室です。
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